※【2026年4月更新】本記事はCopilot Cowork発表時(2026年3月)の情報をベースに、2026年4月時点の最新情報を加えて更新しています。
2026年3月9日、MicrosoftがAIの新機能「Copilot Cowork(コパイロット・コワーク)」を発表しました。
「CopilotってChatGPTベースじゃなかったの?」「Coworkって名前、AnthropicのClaude Coworkと同じじゃない?」と混乱した方も多いのではないでしょうか。
実はこのCopilot Cowork、Anthropicと緊密に協業し、Claude Coworkを支える技術をMicrosoft 365 Copilotに取り込んで開発されたという、ちょっと意外な背景を持つプロダクトです。
今回はCopilot Coworkの基本から、既存のCopilotとの違い、Claude Coworkとの関係、料金体系まで整理していきます!
Copilot Coworkとは
Copilot Coworkは、Microsoft 365 Copilotの新機能として追加されたAIエージェントです。Microsoft自身が「Wave 3」と呼ぶ大型アップデートの目玉として、2026年3月9日に発表されました。
従来のCopilotは「質問に答える」「文章を要約する」といった1回のやり取りで完結するタスクが中心でした。
一方、Copilot Coworkは「やりたいことを伝えるだけで、複数のステップにまたがる仕事をバックグラウンドで実行してくれる」という、これまでとは次元の異なる機能です。
Copilot Coworkは「チャットで答えをもらう」から「仕事を丸ごと任せる」へのシフト。Microsoftはこれを「AIアシスタントからAIエージェントへの進化」と位置づけています。
さらに特筆すべきは、Anthropicと緊密に協業し、Claude Coworkのエージェント技術をCopilotに取り込んでいるという点です。MicrosoftはOpenAIに130億ドル超を投資してきた経緯がありますが、Copilot自体は「マルチモデル設計」を掲げており、OpenAI・Anthropic双方のモデルをタスクに応じて使い分ける方針です。
(参考:Microsoft公式ブログ「Copilot Cowork: A new way of getting work done」)
なぜAnthropicと協業したのか
「OpenAIに巨額投資しておいて、なぜAnthropicの技術を?」という疑問は当然ですよね。
Microsoft自身はこれを「マルチモデル戦略」と説明しています。Copilotは特定のAIモデルに依存するのではなく、タスクに最適なモデルを自動で選択する仕組みを目指しているとのことです。
背景にはこんな事情もあります。2026年1月にAnthropicが「Claude Cowork」(デスクトップ上でファイル操作やアプリ操作を自動化するAIエージェント)を発表したところ、ソフトウェア株全体に売りが広がり、Microsoft株にも警戒感が及んだと報じられました。
つまり「自社の脅威になったAnthropicの技術を取り込んで、逆に自社製品の強みに変えた」という見方もできるわけです。なかなか大胆な戦略ですね。
(参考:Microsoft公式ブログ「Powering Frontier Transformation with Copilot and agents」)
Copilot Coworkで何ができるのか(4つの活用例)
Microsoftが公式に紹介している活用シーンを4つ紹介します。
① カレンダーの自動整理
Outlookのスケジュールを確認し、優先度の低い会議をピックアップ。承認すれば自動でリスケや辞退を実行してくれます。集中作業の時間枠も自動で確保してくれるとのこと。
② 会議の事前準備
過去のメール・ファイル・会議メモから関連情報を集め、ブリーフィング資料やプレゼン、フォローアップメールの下書きまでまとめて作成。
③ 企業リサーチ
決算情報やニュースを収集し、エグゼクティブサマリーやExcelワークブックに整理して出力。
④ 製品ローンチの準備
競合比較をExcelで作成、バリュープロポジションの文書を起草、顧客向けピッチデッキを生成——といった一連のワークフローを横断的に実行。
これらのタスクは数分〜数時間にわたってバックグラウンドで実行されます。途中経過のチェックポイントがあり、ユーザーが確認・修正・中断できる仕組みです。「勝手にやられて取り返しがつかない」ということはなさそうです。
Claude Coworkとの違い
名前が似ていて混乱しやすいので、AnthropicのClaude CoworkとMicrosoftのCopilot Coworkの違いを表にまとめました。
| Copilot Cowork (Microsoft) | Claude Cowork (Anthropic) | |
|---|---|---|
| 動作環境 | クラウド(Microsoft 365テナント内) | ローカル(ユーザーのPC上) |
| データ連携 | Outlook, Teams, Excel, OneDrive等 (Work IQで統合) | デスクトップ上のファイル・アプリ |
| セキュリティ | Microsoft 365の既存権限・ガバナンス・コンプライアンスポリシーに統合 | デスクトップ/ローカル起点の設計。Team/Enterprise向けの管理機能も提供 |
| 対象ユーザー | エンタープライズ(法人)中心 | 個人〜Enterprise(Pro, Max, Team, Enterpriseプランで利用可能) |
| AIモデル | Claude + OpenAI等(マルチモデル) | Claude |
| 料金 | M365 Copilotライセンス:$30/ユーザー/月〜 | Pro, Max, Team, Enterprise等の対象プランに含まれる |
ざっくり言うと、Claude Coworkが「デスクトップ起点の万能AIアシスタント」なら、Copilot Coworkは「Microsoft 365に統合された業務代行AI」という棲み分けです。
Fortuneの取材で、MicrosoftのAI@Work担当CMO Jared Spataro氏はClaude Coworkを高く評価しつつ、企業利用ではクラウドベースのデータ連携や管理の重要性を強調しています。
ClaudeとChatGPTをさらに詳しく比べたい方は、こちらの記事もご覧ください。
料金体系と利用条件
Copilot Coworkの利用には、基本的にMicrosoft 365 Copilotライセンスが前提となります。一部の利用はCopilotライセンスに含まれますが、追加利用分は別途課金となる可能性があります。関連する主なプランは以下のとおりです。
| プラン | 料金(ユーザー/月) | 内容 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot | $30 | 既存のM365契約に追加で必要 |
| Microsoft 365 E7 (2026年5月1日〜) | $99 | M365 E5 + Copilot + Agent 365 + Entra Suite + Defender/Intune/Purview等のセキュリティ機能をバンドル |
| Agent 365 (スタンドアロン) | $15 | エージェント管理・ガバナンス機能 |
個人ユーザーが気軽に使える価格帯ではないのが正直なところ。あくまで法人向けのソリューションとして設計されています。
提供スケジュール
2026年3月時点でのスケジュールは以下のとおりです。
- 2026年3月9日:発表・一部顧客でResearch Preview開始
- 2026年3月下旬:Frontierプログラム(早期アクセスチャネル)で提供拡大(完了済み)
- 2026年5月1日:Microsoft 365 E7の提供開始
- 今後数ヶ月:2026年5月以降:PowerPoint・Outlook でのエージェント機能拡張が順次ロールアウト予定
現時点では限定的な提供です。2026年3月下旬にFrontierプログラムで提供が拡大される予定で、PowerPointやOutlookでのエージェント機能は今後数か月かけてロールアウトされる見込みです。
個人ユーザーへの影響は?
「法人向けなら自分には関係ないかな?」と思うかもしれませんが、この発表にはいくつか注目すべきポイントがあります。
① AIエージェント化の流れがより鮮明になった
「チャットで質問→回答をもらう」というAIの使い方から、「ゴールを伝えて丸ごと任せる」エージェント型へのシフトが、大手プラットフォームレベルで具体化してきました。
② Microsoftが「マルチモデル」路線を明確にした
巨額投資先のOpenAIだけでなく、Anthropicの技術も主要機能に採用。AIモデルは”どれか一つ”ではなく、用途に応じて使い分ける時代に入ったことを象徴しています。
③ Claude Cowork系のアプローチが大手にも採用される流れが見えてきた
Microsoftが自社の主要機能にClaude Coworkの技術を取り込んだという事実は、Anthropicのエージェント型AIアプローチが業界全体で注目されていることの表れです。個人でClaudeを使っている方にとっても、心強いニュースと言えるでしょう。
CopilotのほかにGrokも注目のAIです。
投稿者の感想
このニュースを見たとき、まず思ったのは「え、MicrosoftがAnthropicと組むの?」という驚きでした。OpenAIに何兆円も投資してきたのに、Copilotの目玉機能にClaude系の技術を持ってくるのは意外でした。
個人的にはClaude、ChatGPT、Copilotといろいろ使っている中で、一番好きなAIはClaudeです。日本語の自然さや、指示の意図をくみ取る精度が高いように思います。そのClaudeの技術がMicrosoftという大手に採用されたのは、普通にうれしいです。
AIエージェントが進化して「ゴールだけ伝えれば勝手に仕事してくれる」世界が近づいているのは、純粋にワクワクします。ただ、月30ドル(約4,500円)はさすがに高いです。会社が出してくれるなら即使いたいですが、個人で払うにはちょっとハードルが高いですね。この流れがいずれ手頃な個人向けプランに降りてくることを期待しつつ、引き続きウォッチしていきます。
まとめ
- Copilot Coworkは、Microsoft 365に追加されたAIエージェント機能。複数ステップのタスクをバックグラウンドで自律実行してくれる
- Anthropicと緊密に協業し、Claude Coworkの技術を取り込んで開発(OpenAIモデルも併用するマルチモデル設計)
- Work IQにより、メール・会議・ファイルなど業務データ全体を理解して動く
- 料金はM365 Copilotライセンス($30/月/ユーザー)が必要で、現時点では法人向け
- 2026年3月下旬からFrontierプログラムで提供拡大予定
「AIに仕事を任せる」という未来が、想像以上のスピードで現実になってきていますね。
個人ユーザーにとっては直接使えるプロダクトではありませんが、AIエージェントの進化は今後の働き方やAIツールの方向性を考える上で非常に重要なトピックです。今後もこうしたAIの最新動向はキャッチアップしていきたいと思います。
最新情報はMicrosoft公式ブログで随時更新されています。気になる方はチェックしてみてください!
参考リンク:
・Copilot Cowork: A new way of getting work done | Microsoft 365 Blog
・Powering Frontier Transformation with Copilot and agents | Microsoft 365 Blog
・Microsoft debuts Copilot Cowork built with Anthropic’s help | Fortune
・Microsoft launches AI tool that competes with Anthropic | Axios


